年齢を問わず、多くの人が経験する「腰痛」。実は、腰痛は普段の生活習慣が原因で引き起こされることが多い症状なんです。
今回はそんな腰痛と生活習慣の関係ついて、ご紹介します。
腰痛のほとんどは「原因不明」?
厚生労働省の調査によると、腰痛を抱えている患者数は約2800万人。なんと日本人のおよそ4人に1人が腰痛に悩んでいると推定されています。
そんな多くの人が経験すると言われている腰痛ですが、一口に「腰痛」といっても、原因はさまざま。たとえば、腰の神経の障害によるもの、内臓の病気、重い脊椎の病気などもありますが、およそ8割以上の方は、検査では原因を特定しきれないことがほとんどと言われています。
そのようなタイプの腰痛を「非特異的腰痛」と言い、レントゲンやMRIを通しても、実は明確な痛みの原因というのは分からないケースが多いのです。
その理由は、腰痛とは労働環境や加齢、生活習慣などの、さまざまな原因が絡んで表れる症状であるから。まずは日頃の生活習慣を一から見直してみることが大切になります。
次に、意外と知られていない腰痛を長引かせてしまう生活習慣を見てみましょう。
腰痛を悪化させる3つの原因
①ストレス
実は腰痛を悪化させる原因で、もっとも大きな割合を占めるのが「ストレス」です。
普段の生活でストレスを受け続けていると、脳内物質のバランスが崩れ、痛みをコントロールする「ドーパミン」の分泌が減ります。それが原因で、痛みを感じやすくなったり、慢性化してしまい、さらにその痛みによってさらにストレスを感じ…という悪循環が発生してしまうのです。
また一部の研究によると、心理的なストレスを抱えた状態で持ち上げ作業をすると、作業時の姿勢バランスが乱れて椎間板への負担が高まり、「ぎっくり腰」の発生リスクを高めるとも言われています。
ストレスにも、身体的なものや精神的なものなど、いろいろなタイプがあります。今のあなたがどんなストレスを普段抱えているのか振り返ってみましょう。
ストレスは他のさまざまな病気の原因にもなりかねますが、特に腰痛持ちの方は、普段からストレスを溜め込まないように意識することが大切です。
自分が楽しいと感じることを行うと、脳の血流がよくなって痛みを抑える物質が増え、痛みを抑えることが期待できます。好きな音楽や映画を楽しんだり、アロマオイルなどで自宅や職場の環境を快適にするなど、生活の中にリラックスできる時間をつくることがおすすめです。
②タバコ
ある研究では、喫煙者は、非喫煙者よりも、椎間板ヘルニアを 3 倍以上起こしやすいと報告されています。これは、タバコに含まれる「ニコチン」という成分によって、背骨の骨と骨のクッションの役割をする椎間板の周りの毛細血管を収縮させ、栄養を行き渡らなくしてしまい、椎間板が変性しやすくなるためと言われています。
タバコを吸うことでダメージを受けやすい椎間板ですが、一度そうなっても、禁煙することによって壊れていた部分が回復することもあると言われています。この場合、禁煙することによって腰痛の改善が期待できるそうです。また、自分が喫煙しなくても、周りが喫煙する場合は要注意。
喫煙者の方で腰痛に悩む方は、一度禁煙を検討してもいいかもしれませんね。
③アルコール
お酒を多く摂取すると腰痛になりやすいことが知られています。なぜなら、本来腰の痛みにアプローチするための成分がアルコールを分解するために大量に消費されてしまい、身体の抵抗力が下がってしまうからです。これが原因で、炎症を抑える力が結果的に腰の痛みを改善することが遅れてしまいます。
もしも腰痛持ちでお酒を嗜む頻度が高い方は、一度お酒の量を減らしてみることをおすすめします。
まとめ
腰痛持ちの方の中には、原因がわからずにずっと痛いままにしている方も多いようです。
もちろん今回ご紹介したものの他にも、腰痛の原因にはさまざまな可能性があります。普段の生活で腰痛に関わっていそうな部分があれば、一度見直してみることをおすすめします。